甲状腺機能亢進症を患って

私は、母が胎盤癒着で苦しむ中、未熟児スレスレで生まれました。出生時の体重は2500g。
ミルクを少ししか飲まず、なかなか大きくならないと心配されていましたが、どうしたことか、ある日を境にミルクをガブガブ飲むようになり、1歳になる頃には 赤ちゃんコンクールで表彰されるくらい元気になりました。

その後はスクスクと育ち・・・どころか、育ち過ぎてしまい、健康優良児を通り越して肥満児の道をまっしぐら。
保育園の集合写真では先生の顔より私の顔の方が大きく、小1の時の体重は、なんと40kg、高校時代は100kgの大台に乗りかけたことも。
(こんな自虐的な話、それも、今流行りの言葉を使うなら、いわゆる自分の「黒歴史」をここに書いてしまって良いのでしょうか?)

でも、そのわりには運動はそれほど不得意ではなく(徒競走や鉄棒は苦手でしたが)、中学校ではバレー部に所属していましたし、健康状態も良く、成人してからの献血は160回を超えました。
何度かダイエットして、身長165cmで70kg、という時期も二度ばかりありましたが、結局は90kg台で落ち着いていました。(落ち着いたらアカンやろ)

そんな私が、なんと52kgになったことがあります。ダイエットをしたわけでもないのに。
夢のまた夢だった9号のブラウスを着ることができたのは、後にも先にもこの時だけ。特に努力もせずに痩せたので、めっちゃしんどいけどラッキー、くらいに思っていました。

体調不良の始まりは、少し動いただけで息が上がるようになったことでした。駐車場に車を置いて仕事場までたった4~5分歩くのに杖が必要になり、事務職なのに仕事中に息切れしたり、動悸が激しくなったりしました。
体調不良を理由に派遣の仕事を更新せず、しばらく家でのんびり。この際、大々的に部屋の片づけをしようと思いましたが、少し動いただけで息苦しくなって座り込んでしまいます。

そんな中、GWの家族の留守中に三日間寝込みました。起き上がることができず、何も食べられず、水分を摂るのがやっとで、お腹の調子もすこぶる悪く、トイレ通いを続けるうちに体重が7kg減りました。
その後も食欲があまり戻らず、少しずつ体重が減少していき、結局3年で45kg減りました。最後の10kgは2ケ月くらいで減ったと思います。
友人から何度も
「なんぼなんでも痩せすぎや。ガンだったりしたらいかんから、頼むから病院に行って」
と言われましたが、それでもなかなか病院には行かず(ある意味暢気すぎ)、腰痛がひどくなったのがきっかけで、かかりつけの外科に行きました。

「友達があまりにも心配するので、何もないとは思いますが、ちょっと検査していただけますか?」
とお願いしようと思いながら診察室に入ったのですが、私を見るなり先生が、
「その(体重の)減り方は尋常じゃないから、詳しい検査をしよう」
と一言。
ちょうど受診券が届いていたので、特定検診に加えて自己負担でエコー検査や胃カメラ、詳しい血液検査等を受け、その結果下された診断が、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)でした。甲状腺ホルモンの数値が上限値の7倍だったそうです。

すぐに香川大学医学部付属病院に紹介状を書いていただき、先生のご尽力でわずか四日後に受診。甲状腺異常だけでなく、心臓にも負担がかかっていて心不全の恐れがあるとのことで、一か月の安静を言い渡されました。2016年7月11日のことでした。
もしかしたら、心不全で倒れてそのまま・・・なんてことになっていたかもしれません。バセドウ病を見つけてくださった先生と、病院に行けとうるさく言ってくれた友人は、いわば命の恩人です。

一番苦しかったのは、薬を飲み始めてからしばらくの間、数値が急激に下がって行く時でした。
ゆっくりと症状が悪化していく中、異常に高い数値に体が慣れてしまい、数値が下がった状態に体がついていかないからだとか。薬を飲み始める前よりも苦しく、椅子に腰かけているのも辛く、仕事中、我慢できず床に寝転がったりしたほどでした。(その頃は再就職していたのですが、結局、会社の移転も関係して、その後間もなく退職に至りました)

私の場合、手術は受けず投薬治療のみで、今は数値も正常範囲内に落ち着いていますが、寛解状態になるまでは薬を飲み続ける必要があるようです。(体重の増加を気にして一時期薬を飲むのを勝手にやめたりしたので、余計に年数がかかってしまいました。)
主治医から「アイソトープ療法や手術も考慮に入れておくように」と言われていますが、今のところ投薬だけで様子をみています。

数値が正常値に近づくにつれて食欲も戻り、なんでも美味しく食べられるようになったのは良かったのですが、体重がずいぶん戻ってしまいました。
せっかく何もせずに痩せられたのに無駄にしてしまった私。体重の短期間での増加のせいで若い頃から患っている変形性膝関節症が悪化し、人工関節置換術を受けることになってしまいました。
今度こそ一念発起、頑張ってダイエットしなければと思っています。

甲状腺異常は、一般健診の血液検査では見つけられません。私も、毎年のように健診は受けていましたが、血液検査の結果は特に問題はなく、どこも悪くないのに どうしてこんなにしんどいんだろう??と思っていました。

もし、体重が急に減った、少し動いただけで動悸や息切れがする、脈が速くなった、汗をかきやすくなった、疲れやすくなった、いらいらして怒りやすくなった、手が細かく震えて字が書きにくい・・・などの症状があるのに血液検査の結果は悪くない、という方、一般健診に甲状腺機能血液検査のオプションを追加することをおすすめします。

少しだけ自己負担額を増やすこと、早めに病院に行くことが、病気の早期発見に繋がります。
この投稿が、「体調が悪くてしんどいのに一般検診ではどこも悪くない」 というあなたが 「病院に行こう!」と決断するきっかけになれば幸いです。

追記:甲状腺の病気には、甲状腺ホルモンが少なくなる甲状腺機能低下症(橋本病)もあります。
詳しくは、「甲状腺異常」で検索してみてください。

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